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庶民の料理をお送りする劇団TOKYOハンバーグ

次回公演

のぞまれずさずかれずあるもの

頬を突き刺すほどの雨だった
稲妻の龍が天と地を支配し、雄叫びをあげるたびに雷を落とす窓の外

個室のベンチシートに座り、妻の白く細い掌を握り締めたまま
ある出逢いの時を静かに待っていた

大きな落雷、共に院内に響き渡る小さな産声

呼吸と瞬き、廊下を走る足音、ドアが開く瞬間
すべてがスローモーションのようで

生まれたばかりの赤子を抱いた助産婦は云う

「産まれましたよ。可愛い女の子です。おめでとうございます。頑張りましたね」

まるで、その赤子を生んだ夫婦へかけるかのように・・・


1973年の晩秋、季節外れの嵐が荒れ狂う、丑三つ時
宮城県石巻市の某産婦人科にて欲しかった子どもに出逢えた。

四十八年前になる。故菊田昇医師は、私を前に初めて赤ちゃんのあっせんを公表した。未婚の母による捨て子や子殺しをなくしたい一心で違法を知りつつ十年もの間百件も続けていたという。赤ちゃんの命を守るためと正当性を強く主張していたのを覚えている。翌日の新聞一面トップ記事として大きく報道され、全国で議論の的になった。公表後の菊田医師は賛否両論の中、法の改正を強く訴え続けていた。血縁重視の日本では難しかったが、十四年後の1988年に特別養子制度が施行され、いまは「赤ちゃんの命と幸せが守られ、未婚の母にも新しく生きる道を与え、子どもに恵まれない家族に赤ちゃんを与えることができる」という主張が実子特例法として生かされている。今回、TOKYOハンバーグが生前の菊田医師の葛藤を舞台化した。これを機会に、殺されようとしている赤ちゃんを助けたいという信念を貫き通した菊田医師の意義を改めて考えてみてはどうだろうか。​

藤岡昌雄(元毎日新聞記者)​

1973年に宮城県石巻市で起こった赤ちゃん斡旋事件をモチーフに『のぞまれずさずかれずあるもの』という作品を書いて9年前に上演した。様々な理由により産むわけにはいかない人がいる。それと同時に子供を授かりたいのに不妊により産まれてくれない夫婦がいる。そんな中、事件を起こした医師は中絶を懇願してくる女性に「出産したことを戸籍に残さないから」と説得し、産まれた子を育ての親となる信頼できる夫婦に託し続けた。戸籍法、医師法に抵触する行為だとは知りつつも、赤ちゃんの命を守るために行った行動は、世論を動かし、1987年の特別養子縁組制度成立へ後押しとなった。​

​ 『のぞまれずさずかれずあるもの』は赤ちゃん斡旋事件から40年後が舞台である道幸家の血の繋がらない5人兄弟の人間模様。​

多分、この作品を書きだした頃から、自分が劇作家として何故書きたいのか、何が書けるのか、何を書くべきなのか、と自問自答するようになり、劇作家としての活動が明確になっていったと思う。そして再び、この題材と向き合いたくなったのは自分の周りで小さな生命と出逢ってゆく人たちが増えたからだと思う。みんな幸せそうだ。心からそう思う。思えば思うほど、生命の尊さは勿論、更に深く、生命とは自分にとって何だろうか?という問いと対峙する。答えはきっと無数にあるだろう。然し、自分は作品を産む、或いは生むことで探りたい。そして再演する作品をブラッシュアップして上演し、同時に〝赤ちゃん斡旋事件〟そのものも描いてみたいと思った。ふたたび色々と調べていくと1973年、故菊田昇医師に一番最初に取材をした毎日新聞の記者がいることを知った。伝手を使って辿り着いた元毎日新聞記者の藤岡昌雄氏に宮城まで会いに行き、当時の様子を聞かせて頂けた。新作は藤岡さんの視点で描いてみようと決めた。​

​ 東京2012が再演作品であり、宮城1973が新作になる。​

​ 虚実を入り混じりながら〝のぞまれずさずかれず〟というエゴイズムの先で、実在した菊田昇医師の様々な現実を犠牲にしながら、それでも生命の尊さを守る姿と形と心を再演と新作で描き、二本立てで挑む。​

​ 大西弘記​

キャスト

タイムスケジュール

チケット料金

※全席自由(日時指定)
◆前売/4000円・当日/4500円
◆ハンバーグ割引(★の部)
前売・当日/3500円
◆学生割/2500円
(高校生以下)※要証明書
◆セット/7500円
※『東京2012』『宮城1973』
両作品が対象/要予約/ローソンチケット、
カンフェティでの取扱なし

チケット発売日

2019年2月27日(水)

チケット取り扱い・お問い合わせ

①J-Stage Navi
03-5912-0840(平日11:00~18:00)
http://www.j-stage-i.jp

②ローソンチケット ※チケット取り扱いのみ
0570-084-003(Lコード:31857)
0570-000-407(10:00~20:00)
http://l-tike.com

③Confetti(カンフェティ)
※チケット取扱いのみ
http://confetti-web.com
0120-240-540*通話料無料・オペレーター対応
(受付時間 平日10:00~18:00)

④TOKYOハンバーグ
090-5807-3966
E-mail info@tokyohamburg.com
HP http://tokyohamburg.com

スタッフ

音楽/清見雄高
照明/吉嗣敬介
舞台監督/大河原敦・櫻岡史行
舞台美術/大河原敦
音響プラン/香田泉
音響操作/牛居朋広
演出助手/嶋野幸香・中尾雛子
宣伝美術/martrie
イラストレーション/さいとうりえ
舞台写真/ありせさくら
WEB制作/西谷竜太
制作協力/J-Stage Navi
当日受付/白井千晶
カンパニースタッフ/石原友武・相原奈保子・肥尾祥恵
企画・製作/TOKYOハンバーグ​

協力

écru
ウルル・プロ
龍前正夫舞台照明研究所
零´sRecord
演劇ユニットハイブリッド
乳幼児教室ハッピールーム
喫茶ホットライン
M・M・P
宿 行政事務所
いせソーラー
※順不同

劇場

サンモールスタジオ

〒160-0022
東京都新宿区新宿1-19-10
サンモール第3M-8F(事務所)
B1(劇場)
TEL 03-5367-5622(事務所)
03-3350-0335(劇場ロビー)

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